結論:源泉徴収が多すぎた分は確定申告で還付される
報酬から源泉徴収(所得税の前払い)をされている人は、確定申告をすると**払いすぎた所得税が戻ってくる(還付される)**ことがよくあります。源泉徴収は経費を考慮せずに一律の税率で天引きされるため、経費を差し引いて計算した本来の税額より多く納めているケースが多いからです。
源泉徴収が必要な報酬には原稿料・デザイン料などがあり、これらは支払い時に税金が差し引かれます(国税庁 No.2795 原稿料や講演料等を支払ったとき)。この記事では、還付が起きる仕組み・戻る時期・金額の出し方を順に解説します。
なぜ源泉徴収で「払いすぎ」が起きるのか
源泉徴収は、報酬額にそのまま一定の税率をかけて天引きされます。経費や各種控除はこの段階では一切考慮されません。
一方、実際の所得税は「売上から経費を引いた所得」から、さらに基礎控除などの所得控除を引いた「課税所得」に税率をかけて計算します。所得税の税率は課税所得に応じて5〜45%の段階制です(国税庁 No.2260 所得税の税率)。経費や控除を反映すると課税所得が下がるため、前払いした源泉徴収のほうが多くなりやすく、その差額が還付されるわけです。
自分が源泉徴収された金額を確認したい方は、源泉徴収税額の計算機で試算できます。
還付はいつ戻る?
還付金は、確定申告をしてから戻ってきます。目安として、e-Taxで申告した場合はおおむね2〜3週間、書面で申告した場合は1〜1か月半程度で指定した口座に振り込まれるのが一般的です。
確定申告の受付は原則2月16日から3月15日までですが、還付申告は時期に余裕があり、早めに申告するほど還付も早く受けられます(国税庁 No.2020 確定申告)。還付を急ぐなら、e-Taxでの早期申告がおすすめです。
【計算例】還付額の出し方
還付額は「源泉徴収された合計額 − 本来の所得税額」で求められます。
たとえば年間の報酬が300万円で、その全額が源泉徴収の対象だったとします。源泉徴収率10.21%なら、3000000 × 0.1021 = 306300 円が前払いされた計算です。
一方、経費が80万円かかり、各種控除を差し引いた課税所得が約150万円だったとすると、所得税率は5%の区分にあたり、所得税はおおむね 1500000 × 0.05 = 75000 円です。この場合、源泉徴収のほうが大幅に多いため、差額のおよそ23万円が還付される計算になります。経費や控除が多い年ほど還付額は大きくなります。
還付を受ける手順
- 源泉徴収された金額を集計する(支払調書や支払明細の源泉徴収欄)。
- 経費を集計して所得を計算する(売上 − 経費)。
- 確定申告書を作成する(源泉徴収税額と還付先の口座を記入)。
- e-Taxまたは書面で提出する。
- 指定口座への振込を待つ(e-Taxなら2〜3週間が目安)。
よくある質問
Q. 還付を受けるには必ず確定申告が必要ですか?
はい。源泉徴収で払いすぎていても、確定申告をしなければ還付は受けられません。還付のための申告(還付申告)は、申告期限の時期に関わらず行えます。
Q. 還付金に税金はかかりますか?
還付金は払いすぎた税金が戻ってくるものなので、それ自体に新たな税金はかかりません。ただし、計算の前提となる所得の申告は正しく行う必要があります。判断に迷う場合は、詳しくは税理士にご確認ください。
Q. 源泉徴収されていない報酬がある場合はどうなりますか?
源泉徴収されていない報酬は前払いがないため、その分は確定申告で納税する側になります。源泉徴収ありの報酬となしの報酬が混在する場合は、合算して計算した結果、還付か納付かが決まります。まずは源泉徴収税額の計算機で前払い分を把握しておきましょう。