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家庭教師・塾講師の副業確定申告【源泉徴収あり・なし両パターン】

運営・編集:Yusuke Hiramatsu

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源泉徴収税額を計算する

家庭教師・塾講師の副業をされている方へ

家庭教師や塾講師の副業をしている方で、「源泉徴収があるときとないときで確定申告の手順は変わるの?」「いくらから申告が必要?」と戸惑っていませんか。この職種は個人直接契約・センター経由の業務委託・塾のアルバイトと形態が分かれており、それぞれ源泉徴収や所得の種類が異なります。この記事では両パターンの手順を計算例付きで解説します。

この職種の収入・税務の特徴

家庭教師・塾講師の副業収入には、大きく3つの形態があります。

契約形態所得の種類源泉徴収年末調整
個人(家庭)と直接契約雑所得なしなし
家庭教師センター・塾の業務委託雑所得センターによって異なるなし
塾のアルバイト・パート(雇用契約)給与所得ありあり

最大の特徴は、弁護士・税理士などと異なり、家庭教師・塾講師への報酬は所得税法上の「源泉徴収義務が明示された報酬」リストに含まれていない点です。そのため、支払者が個人の場合は源泉徴収不要、法人(センター等)の場合は会社の判断で源泉徴収が行われる場合と行われない場合があります(国税庁 No.2793 報酬・料金等の源泉徴収義務者)。

塾のアルバイトとして雇用契約を結んでいる場合は給与所得となり、年末調整で税務処理が完結します。一方、個人直接契約やセンター経由の業務委託は「業務に係る雑所得」として自分で確定申告する必要があります(国税庁 No.1500 雑所得)。

一般的なフリーランスが慣れている「取引先から必ず源泉徴収される」という前提が通用しない点が、この職種ならではの落とし穴です。

経費にできるもの・できないもの

雑所得(業務委託・個人契約)の場合、収入から「その収入を得るために直接必要だった費用」を差し引けます。以下に家庭教師・塾講師特有の経費項目をまとめます。

費用項目経費備考
指導用参考書・問題集・過去問自分の趣味・学習目的のみは不可
生徒宅・教室への交通費(電車・バス)実費の記録が必要
オンライン授業のヘッドセット・カメラ業務専用または按分
プリント作成の用紙・インク代授業配布用のもの
文房具(ペン・ホワイトボードなど)業務使用分
通信費(スマホ・インターネット)業務使用割合で按分
自宅で授業する場合の家賃・光熱費使用面積・時間で按分
一般的な食費・外食費×打ち合わせ以外は不可
通常の衣服代(スーツ含む)×特殊な作業服以外は不可
業務に直接関係しない自己啓発費×資格取得費は直接関係ある場合のみ

按分計算の例: 月額通信費6,000円を、1か月の総使用時間180時間のうち業務で45時間使用している場合の経費算入額は次のとおりです。

6000 × 45 ÷ 180 = 1500円(月額経費)

按分の割合は合理的な根拠があれば認められますが、実態を大幅に超えた計上は税務署から否認される場合があります。判断が難しい経費については、所轄税務署または顧問税理士にご確認ください。

実際の手取り額や源泉徴収税額を数字で確認したい方は、源泉徴収税額電卓をご活用ください。

確定申告の手順【源泉徴収なし・源泉徴収あり両パターン】

パターン①:個人(家庭)と直接契約(源泉徴収なし)

親御さんから直接報酬を受け取る個人契約では、支払者が個人のため源泉徴収は行われません(国税庁 No.2793)。収入は全額手元に入りますが、税金の精算は自分で行う必要があります。

申告の流れ

  1. 年間の収入合計を記録から集計する(振込履歴・受取メモを保管)
  2. 経費を集計する(交通費・参考書代・通信費按分など)
  3. 雑所得 = 収入合計 − 経費合計 を計算する
  4. 雑所得が年間20万円を超えた場合、翌年2月16日〜3月15日に確定申告

給与所得がある方は、副業の雑所得が年間20万円以下であれば確定申告不要です(国税庁 No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人)。ただし、医療費控除やふるさと納税(寄附金控除)の適用を受ける場合は、20万円以下でも確定申告が必要になります。

計算例: 年間授業収入480,000円、生徒宅への交通費15,000円、参考書・問題集代28,000円、通信費按分(月1,500円×12か月)18,000円の場合。

480000 - 15000 - 28000 - 18000 = 419000円(雑所得)

この419,000円が課税対象の雑所得となります。本業の給与所得と合算して所得税率が決まります。

パターン②:家庭教師センター・塾の業務委託(源泉徴収あり)

法人のセンターや塾が源泉徴収を行っている場合、報酬支払い時に10.21%(1回の支払いが100万円以内の場合)が天引きされています。

源泉徴収税額の計算例:

月額報酬75,000円のケース: 75000 × 0.1021 = 7657円(源泉徴収税額)

手取りは 75000 - 7657 = 67343円 となります。

年間では 7657 × 12 = 91884円 が先払いされている計算です。この金額は、確定申告時に実際の所得税額と精算されます。前払い税額が多ければ還付、少なければ追納となります。

申告の流れ

  1. センターから受け取った支払調書(または自分の記録)で年間収入と源泉徴収額を確認
  2. 経費を集計して雑所得を計算
  3. 確定申告書(e-Tax推奨)で雑所得を入力し、源泉徴収税額を申告書の「源泉徴収税額」欄に記入
  4. 申告内容にもとづき追納または還付

支払調書は確定申告書への添付は不要ですが、記載内容が正しいか確認のうえ5年間は保管しておきましょう。

パターン③:塾のアルバイト(給与所得)

雇用契約の場合は給与所得として年末調整が行われます。副業の給与収入が年間20万円以下であれば追加申告は基本的に不要ですが、複数の勤務先で年末調整が行われていない場合は自分で確定申告が必要です。

申告の前に、まずは源泉徴収税額電卓で自分の税負担の目安を確認してみましょう。

よくある疑問・間違いやすいポイント

支払調書が届かなくても申告しなくてよいか

支払調書は法律上、センターや塾が受取人に交付する義務はありません。しかし、センターや塾は税務署に同内容の書類を提出しているため、税務署には支払実績が届いています。支払調書の有無に関係なく、収入があれば申告義務があります。年間を通じて振込記録や自分のメモで収入を管理する習慣をつけましょう。

源泉徴収されているから確定申告は不要では?

源泉徴収は確定申告の「代わり」ではなく、あくまで「税金の仮払い」です。副業の雑所得が年間20万円を超えた場合は確定申告が必要です。逆に言えば、源泉徴収のされすぎで本来より多く払っている場合は、確定申告で還付を受けられます。

学生で親の扶養に入っているが副業収入がある場合

扶養控除(扶養親族の所得要件)の基準は、所得金額48万円以下です(2026年度)。業務委託・個人契約の場合は「収入 − 経費 = 雑所得」で48万円以下かどうかを判定します。収入が多くても経費をしっかり計上すれば扶養内を保てる場合があります。ただし扶養の判定は複合的な条件があるため、具体的なケースは税務署や税理士にご確認ください。

個人契約で現金払いの場合も申告が必要か

はい、申告が必要です。税務上の申告義務は支払方法に関わらず発生します。現金で受け取った場合も収入として計上し、20万円を超えれば確定申告が必要です。収入の記録が残りにくいため、自分で領収書を発行するかメモを残す習慣をつけることをおすすめします。

まとめ

確定申告前に確認すべき項目を箇条書きでまとめます。

  • 契約形態を確認する:雇用契約(給与所得)か業務委託・個人契約(雑所得)かで手続きが異なる
  • 年間収入合計を出す:副業の雑所得が20万円を超えるかどうかが申告要否の分かれ目
  • 経費を集計しておく:参考書・交通費・通信費の按分分を年間を通して記録する
  • 源泉徴収の有無を確認する:センター経由なら支払調書で年間の源泉徴収税額を確認
  • 申告期限は翌年2月16日〜3月15日:e-Taxを使うとマイナンバーカードで手続き可能
  • 20万円以下でも医療費控除・ふるさと納税がある場合は申告必要
  • 住民税の申告は別途必要な場合がある(市区町村窓口への申告)

税務上の判断が難しい経費の線引きや按分の計算は、所轄税務署または税理士への相談が安心です。

よくある質問

Q. 家庭教師センターから支払調書が届きましたが、確定申告書に添付する必要はありますか?

支払調書は確定申告書への添付は不要です。ただし、記載されている収入金額と源泉徴収税額が自分の記録と一致しているかを確認し、申告書に正確に転記しましょう。万一の問い合わせに備えて、原本は5年間保管しておくことをおすすめします。

Q. 副業の雑所得が20万円以下なら住民税の申告も不要ですか?

所得税の確定申告が不要でも、住民税(市区町村民税・道府県民税)の申告は別に必要な場合があります。住民税には所得税の「20万円以下申告不要」のような免除規定がないため、1円でも副業所得がある場合は住民税の申告義務が生じます(確定申告書を提出した場合はそちらが自動反映)。お住まいの市区町村の窓口にご確認ください。

Q. 業務委託の家庭教師収入で青色申告はできますか?

副業の場合、収入が「業務に係る雑所得」として扱われるケースでは青色申告の適用はできません(青色申告は事業所得・不動産所得・山林所得が対象)。ただし、家庭教師の活動が事業所得に該当すると認められる規模(継続・反復・社会性がある等)であれば、事業所得として青色申告が可能です。具体的な判断は、収入規模や活動実態を踏まえて税務署または税理士に相談することをおすすめします。

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参考にした一次情報

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